ナマステ
この文章を読んでいるあなたはヨーガの練習をしていますか?
これから始めようと思っていますか?
さすがに
『ヨーガ』って単語は初めて聞いた!
という方はいないと思っています。
すでに
・見た事や聞いた事がある
・友人がやっている
・何度か体験した事がある
・今朝も練習したし、もはや生活の一部だ
など、いろいろな方がいらっしゃると思います。
人の数だけヨーガとの関わり方があり
動機や理由、理解は様々ですが
そもそもヨーガとはなんなのでしょうか !?
R.Sharath Jois 師はおっしゃいました。
『 ヨーガ(アーサナ)の練習をする前にヨガとは何かを知らなければいけない 』
古代の賢者パタンジャリが編纂した
『 ヨーガスートラ 』 1−2 によると
「 ヨーガとは心の働きを止滅することである 」
と記してあります。
では心の働きを止滅した状態とは?
ヨーガとは一般的に目にしやすい、アーサナ(ポーズ)だけではありません。
ヨーガは8つの『 支則 』によって構成されています。
『 八支則 』と呼ばれる8つの支則は以下の通りです。
そして8つめの
サマーディ = 「 心の働きを止滅すること 」
と言われています。
1 Yama ( ヤマ ) 禁戒 / 制御 自分以外のものとの関係を規定した 道徳的心得
・Ahimsa ( アヒムサ ) 非暴力
・Satya ( サティア ) 正直
・Asteya( アスティヤ ) 盗まない
・Brahmacharya ( ブラフマチャリヤ ) 性欲に溺れない
・Aparigraha ( アパリグラハ ) どん欲にならない
2 Niyama ( ニヤマ ) 勧戒 / 自分に対する心得
・Shaucha ( シャウチャ ) 清潔
・Santosha ( サントーシャ ) 満足
・Tapas ( タパス ) 苦行 鍛錬 精神修行
・Swadhyaya ( スワデヤーヤ ) 経典や自分自身に対する学びを深め、
精神向上を行う
・IshwarPranidhana ( イーシュワラプラニダーナ ) 至高の存在への祈念
3 Asana ( アーサナ ) ポーズ
4 Pranayama ( プラーナーヤーマ ) 呼吸法
5 Pratyahara ( プラティヤーハーラ ) 感覚の制御
6 Dharana ( ダーラナー ) 集中
7 Dhyana ( ディヤーナ ) 瞑想
8 Samadi ( サマーディ ) 三味 悟り
実際八支則の中で、私たちが実践するのは
最初の4つの支則( ヤマ / ニヤマ / アーサナ / プラナヤマ )で
始めはは3つ目にあるアーサナ(ポーズ)の練習に取り組んでいきます。
最初の頃はヨーガの実践のほとんどの時間をアーサナの練習に当てますが
この構成を知ることにより、練習という行為が実践に変わり
様々な意味が生まれます。
そして、これらを意識することにより
日々のアーサナの練習は、様々な気付きや発見をもたらしてくれます。
ヤマ や ニヤマ これらのマットの上で意識できない項目は
アーサナの練習以外の時間、いわば日常の生活の中で意識になり
24時間ヨーガの実践になっていきます。
『 意識的 』な練習や生活をすることにより
今まで流れていた時間、出来事や出会いなど
より意味深いものに変わるでしょう。
またアーサナは一見身体的な練習に見えますが、
身体的な練習を通して精神も強くしなやかになります。
そして身体と精神の繋がりを強く実感します。
後半の四つの支則は、最初の四つの支則を行うことにより訪れるものになります。
『 Do your practice and all is coming. 』
Shri K . Pattabhi jois 師
ashtanga は「 8 」を意味するサンスクリット語の ashtau と
「 手足 」を意味するangaに由来し
これらの言葉は八支則を意味しています。
アシュタンガヨーガという単語には二つの意味があります。
①
一般的に認められているヨーガの形態と構成は、
パタンジャリの八支則のヨーガです。
パタンジャリによって示された『 八支則 』を元にした
『 ヨーガ 』 に対する考え方なので、
ほぼ全ての流派のヨーガに当てはまりますが、
これら八支則のヨーガをアシュタンガヨーガと言います。
②
ですが、普段私たちが耳にするアシュタンガヨーガとは
アシュタンガ・ヴィンヤサ・ヨーガのことです。
グル パランパラ( 師から弟子えと直接伝承すること)によって
シュリ・ラマ・モハナ・ブラフマチャリヤ から
シュリ・ティルマライ・クリシュナマチャリヤ へ伝承され
シュリ・K・パタビジョイス( 通称 グルジ )によって
アシュタンガ・ヴィンヤサ・ヨーガは考案されました。
現在はお孫さんの R.Sharath Jois ( 通称 シャラート or シャラス )によって継承され伝えられているヨーガです。
生徒がそれぞれのペースで自身の練習をし、指導者は個別にアドバイスや補助( アジャストメント )を行うスタイルの練習法を地名にちなんでマイソールスタイルと呼ばれています。
アシュタンガ・ヴィンヤサ・ヨーガも
アシュタンガ・ヨーガ( 八支則のヨーガ )の一つの流派または形式ですが、
この流派を単にアシュタンガ・ヨーガと呼ぶ事がほとんどです。
アシュタンガ・ヴィンヤサ・ヨーガ( 通称 アシュタンガヨーガ )の練習では
最初のアーサナから最後のアーサナまで順番が決まっており、
さらに3つのシリーズに分けられています。
( 細かく分けると6シリーズ )
・プライマリー シリーズ ( ヨーガ・チキツァ )
身体の浄化、身体の歪みの矯正
・インターミディエット シリーズ ( ナーディー・ショーダナ ) 2 nd シリーズ
神経器官、エネルギー経路の浄化
・アドバンス シリーズ A B C D( スティラ・バガ ) 3 rd~ 6th シリーズ
プライマリーシリーズのアーサナを全て練習すると、通常90分前後の練習時間がかかるので、アシュタンガヨーガを始める場合はプライマリーシリーズの最初の太陽礼拝から練習し、日数を重ねながら新しいアーサナをひとつずつ追加していきます。
アシュタンガヨーガの発信地マイソールのKPJAYIでは
月曜 レッドクラス ( プライマリー / インターミディエット )
火曜 〜 マイソールクラス
金曜
土曜 レッドクラス ( プライマリーシリーズのみ )
日曜 / 満月 / 新月 休み
というスケジュールで練習が行われています。
レッドクラスクラスとは
指導者のカウントに呼吸と動きを合わせて練習するクラスです。
アシュタンガヨーガのシークエンスでは
アーサナの順番や、アーサナの呼吸数などが決まっているので
レッドクラスでは正しい順番や呼吸数を覚え、確認することができます。
レッドクラスを受ける際
プライマリーシリーズは二つに分けられており、
ナーヴァーサナまでをハーフプライマリー。
全て行うことをフルプライマリーと呼んでいます。
アシュタンガヨーガは決められたシークエンスや運動量の多さが目につきやすいですが、アシュタンガヨーガの練習は動く瞑想と言われており、
呼吸と動きを連動させ( ヴィンヤサ )、トリスターナ( 呼吸・焦点・姿勢/ポーズ )
と呼ばれるテクニックを磨きます。
アシュタンガヨーガの継続的で意識的な練習は
身体と精神に様々な変化と気付きをもたらします。
アシュタンガヨーガの練習において八支則を踏まえたうえで、
練習生が最初に取りかかるのはアーサナの練習です。
アシュタンガヨーガのアーサナの練習で意識するのは
・ヴィンヤサ ( 呼吸と動きを連動させること )
トリスターナ
・呼吸
・ドリスティ ( 焦点 )
・姿勢 ( ポーズ )
各アーサナによって身体の使い方や細かいテクニックなどはありますが、
シークエンスの練習中意識していくのは上記3点になります。
呼吸の音を聞くことや
決められた部分に焦点を合わせることで、
通常は外側に向けられている意識が内側に向かいます。
すると、マインドが練習から逃げることなく
より練習に対する集中力が増します。
内観しながら意識的な練習を続けていくことにより
ウディヤーナバンダやムーラバンダの存在感が増していくでしょう。
バンダとの繋がりが強くなるほどに深まる自身との絆、
可能性の広がりを体感し
継続的な実践が様々な出来事をもたらします。